転生夫婦の新婚事情 ~前世の幼なじみが、今世で旦那さまになりました~
「やー悪いな、突然押しかけて。あっこれ、お土産な。ハルも好きな、よだふく庵のどら焼き」
「あ……ありがとうございます」
リビングに通すと、仁がそう言って持っていた紙袋を結乃に差し出してきた。
受け取った紙袋を手に、キッチンへと向かう。3人分のお茶の準備をしながら、こっそりとソファーにいる男性ふたりを盗み見た。
(まさか、ブルースト殿も今世に転生していたなんて……)
しかも、前世と同じく春人の友人として、そばにいる。
こんな巡り合わせ、あるんだろうか。いや、実際すでにそうなっているんだから、事実として受け入れるしかない。
「茶を飲み終わったらさっさと帰れ」
「ひどい言い草だな。もしかして、昼間っからイチャイチャ中だったり? 俺お邪魔しちゃったか?」
「帰れ……」
珍しく不機嫌さを全面に出して唸る春人に苦笑しつつ、結乃はトレーに載せた緑茶とどら焼きをローテーブルに置く。
「お待たせしました。おもたせで失礼しますが、どうぞ」
「いやいや、お構いなく。ありがとうございます」
結乃の言葉にニッコリ笑顔を浮かべた仁の横で、春人が「本当に構わなくていい」と真顔でつぶやいた。
結乃はまた困ったように笑い、自らもL字型のソファーのひとり掛け部分に腰を下ろす。
そうして、3人で他愛ない話をしながらお茶とお菓子を楽しんでいたのだが──不意に仁が、思い出したように声を上げた。
「ああそうだ、忘れてた。今日はふたりに結婚祝いのプレゼントも持ってきてたんだ」
「え……そんな、お気遣いすみません」
「いや、俺があげたいと思っただけだから」
申し訳なく頭を下げる結乃にあっけらかんと答えた仁へ、湯のみを置いた春人も顔を向ける。
「あ……ありがとうございます」
リビングに通すと、仁がそう言って持っていた紙袋を結乃に差し出してきた。
受け取った紙袋を手に、キッチンへと向かう。3人分のお茶の準備をしながら、こっそりとソファーにいる男性ふたりを盗み見た。
(まさか、ブルースト殿も今世に転生していたなんて……)
しかも、前世と同じく春人の友人として、そばにいる。
こんな巡り合わせ、あるんだろうか。いや、実際すでにそうなっているんだから、事実として受け入れるしかない。
「茶を飲み終わったらさっさと帰れ」
「ひどい言い草だな。もしかして、昼間っからイチャイチャ中だったり? 俺お邪魔しちゃったか?」
「帰れ……」
珍しく不機嫌さを全面に出して唸る春人に苦笑しつつ、結乃はトレーに載せた緑茶とどら焼きをローテーブルに置く。
「お待たせしました。おもたせで失礼しますが、どうぞ」
「いやいや、お構いなく。ありがとうございます」
結乃の言葉にニッコリ笑顔を浮かべた仁の横で、春人が「本当に構わなくていい」と真顔でつぶやいた。
結乃はまた困ったように笑い、自らもL字型のソファーのひとり掛け部分に腰を下ろす。
そうして、3人で他愛ない話をしながらお茶とお菓子を楽しんでいたのだが──不意に仁が、思い出したように声を上げた。
「ああそうだ、忘れてた。今日はふたりに結婚祝いのプレゼントも持ってきてたんだ」
「え……そんな、お気遣いすみません」
「いや、俺があげたいと思っただけだから」
申し訳なく頭を下げる結乃にあっけらかんと答えた仁へ、湯のみを置いた春人も顔を向ける。