転生夫婦の新婚事情 ~前世の幼なじみが、今世で旦那さまになりました~
「結乃に、何してる」
突然のことに驚き顔を上げた結乃は、リビングの出入り口から聞こえた声に振り返ってさらに目を丸くした。
「春人さん!」
「いってぇ……いや、そこまで痛くはねぇけどな?! いきなり何すんだ!」
「うるさい。近い。離れろ」
思いきり眉間にシワの寄った険しい表情の春人がツカツカとこちらへやって来て、仁の顔面を片手でわし掴む。
あまりの剣幕と言動に、結乃は呆気にとられて固まった。
「いや、せっかく持ってきたプレゼントぶん投げるなよ! 壊れ物だったらどうすんだ?!」
「触った感じ、ぬいぐるみとかクッションあたりだろ。ぶん投げても問題ないと判断した」
「はーーんおまえさては結構ガチギレだな?!」
「あっ、あの春人さん……! とりあえずその手を離しましょう!?」
しばしの間呆然とふたりのやり取りを眺めていた結乃だったが、ようやくハッとして春人を止める。
宥められた春人は、不服そうにしながらもしぶしぶ手を離した。
「結乃、大丈夫か? このケダモノに何もされてないか?」
「おまえはヒトのこと言えないだろうが! 奥方のうなじのキスマーク、バッチリ見えたぞ」
「えっ?!」
仁が放ったまさかの発言に、バッと首の後ろを手で押さえた。
そのままの勢いで春人を見れば、彼は素知らぬ顔であらぬ方向を向いている。
(キスマークなんてつけられてたの……っ?! 気づかなかった……!)
猛然と頬を赤く染める結乃を見た春人がまたひそかにムラッとしていたのだが、羞恥で余裕のない彼女は自分を狙う野獣の眼差しに気づかない。
(……俺は一体何を見せられてるんだ?)
ふたりを眺める仁だけはすべてを察し、口いっぱいに角砂糖を頬張って飲み込んだような、なんとも言えない表情をしていた。
突然のことに驚き顔を上げた結乃は、リビングの出入り口から聞こえた声に振り返ってさらに目を丸くした。
「春人さん!」
「いってぇ……いや、そこまで痛くはねぇけどな?! いきなり何すんだ!」
「うるさい。近い。離れろ」
思いきり眉間にシワの寄った険しい表情の春人がツカツカとこちらへやって来て、仁の顔面を片手でわし掴む。
あまりの剣幕と言動に、結乃は呆気にとられて固まった。
「いや、せっかく持ってきたプレゼントぶん投げるなよ! 壊れ物だったらどうすんだ?!」
「触った感じ、ぬいぐるみとかクッションあたりだろ。ぶん投げても問題ないと判断した」
「はーーんおまえさては結構ガチギレだな?!」
「あっ、あの春人さん……! とりあえずその手を離しましょう!?」
しばしの間呆然とふたりのやり取りを眺めていた結乃だったが、ようやくハッとして春人を止める。
宥められた春人は、不服そうにしながらもしぶしぶ手を離した。
「結乃、大丈夫か? このケダモノに何もされてないか?」
「おまえはヒトのこと言えないだろうが! 奥方のうなじのキスマーク、バッチリ見えたぞ」
「えっ?!」
仁が放ったまさかの発言に、バッと首の後ろを手で押さえた。
そのままの勢いで春人を見れば、彼は素知らぬ顔であらぬ方向を向いている。
(キスマークなんてつけられてたの……っ?! 気づかなかった……!)
猛然と頬を赤く染める結乃を見た春人がまたひそかにムラッとしていたのだが、羞恥で余裕のない彼女は自分を狙う野獣の眼差しに気づかない。
(……俺は一体何を見せられてるんだ?)
ふたりを眺める仁だけはすべてを察し、口いっぱいに角砂糖を頬張って飲み込んだような、なんとも言えない表情をしていた。