転生夫婦の新婚事情 ~前世の幼なじみが、今世で旦那さまになりました~
おそらく身長が170センチ近くはあるのだろうが、そこにハイヒールがプラスされてさらに背が高く見える。
出るところは出て引っ込むべきところは引っ込んでいる、抜群のプロポーションだ。
(こんな美女、初めて見た……)
なんだか、ものすごくいい匂いもする。未だ呆ける結乃の前に立つ彼女が、ふと何かに気づいて再度屈み込んだ。
「これもあなたの?」
「あ……っそうです、すみません!」
女性が拾い上げてくれたのは、いつの間にか手から離れてしまっていたらしい花束だった。
すぐに受け取って覗いてみると、やはり少ししおれてしまっている。しかしこのくらいなら、水につければ問題なく復活するだろう。
両手で花を持ち、ほうとひとつ息をつく。
そんな結乃を見つめる女性が、申し訳なさげにまた口を開く。
「ごめんなさい、弁償するわ。あそこの花屋で買ったのかしら?」
「え? いえいえ、そこまでしていただかなくても大丈夫ですよ! 家に帰って水につければちゃんと元気になりますから」
「そう……でも、あの男たちにぶつかられていたし、あなたの身体も心配だわ。念のため、病院にも──」
どんどん話が大きくなってきた。結乃は慌てて口を挟む。
「本当に、平気ですから! どこも痛くありませんよ」
「ならせめて、名前と連絡先を教えてちょうだい。このまま別れるのは気が済まないわ」
キッパリとした口調で言われ、言葉に詰まった。
まあ、名前くらいなら……と、ようやく結乃は彼女の要望に応える。
出るところは出て引っ込むべきところは引っ込んでいる、抜群のプロポーションだ。
(こんな美女、初めて見た……)
なんだか、ものすごくいい匂いもする。未だ呆ける結乃の前に立つ彼女が、ふと何かに気づいて再度屈み込んだ。
「これもあなたの?」
「あ……っそうです、すみません!」
女性が拾い上げてくれたのは、いつの間にか手から離れてしまっていたらしい花束だった。
すぐに受け取って覗いてみると、やはり少ししおれてしまっている。しかしこのくらいなら、水につければ問題なく復活するだろう。
両手で花を持ち、ほうとひとつ息をつく。
そんな結乃を見つめる女性が、申し訳なさげにまた口を開く。
「ごめんなさい、弁償するわ。あそこの花屋で買ったのかしら?」
「え? いえいえ、そこまでしていただかなくても大丈夫ですよ! 家に帰って水につければちゃんと元気になりますから」
「そう……でも、あの男たちにぶつかられていたし、あなたの身体も心配だわ。念のため、病院にも──」
どんどん話が大きくなってきた。結乃は慌てて口を挟む。
「本当に、平気ですから! どこも痛くありませんよ」
「ならせめて、名前と連絡先を教えてちょうだい。このまま別れるのは気が済まないわ」
キッパリとした口調で言われ、言葉に詰まった。
まあ、名前くらいなら……と、ようやく結乃は彼女の要望に応える。