転生夫婦の新婚事情 ~前世の幼なじみが、今世で旦那さまになりました~
 熱めのシャワーを浴びて少しだけ落ちつきを取り戻した結乃は今、そろそろバスルームを出るはずの自分の夫をソファーで待っている。

 前世のことを、春人に打ち明けると決めた。だけど、そのあとのことを考えるとこわくて仕方がない。

 それでももう、限界だった。図々しくなろうとは思ったが、改めてまっすぐに愛を伝えられると、果たして自分がそれを受け取っていいのだろうかと後ろめたくなる。

 記憶のない春人からすれば、ただ傍迷惑なだけの自分勝手な懺悔なのかもしれない。

 それでもこれが、結乃が春人に返せる1番誠実な対応なのだ。


「結乃」


 今日はきちんとドライヤーまで済ませた春人が、リビングへとやってきた。

 その低い声で名前を呼ばれるたびに、きゅうっと胸が締めつけられる。

 そうしてとうとう彼が、結乃の隣に腰を下ろして。


「……春人さん。今からする話は、春人さんにとってとても突拍子のないものに思えるかもしれません。だけど嘘でも冗談でもない……紛れもなく、本当の話です」


 結乃は、すべてを告白した。
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