転生夫婦の新婚事情 ~前世の幼なじみが、今世で旦那さまになりました~
「春人さん」
名前を呼んで、頬に触れる大きな手を今度は自分の手のひらできゅっと掴む。
そうして結乃は、精一杯の笑顔で春人を見つめた。
「私も、あなたのことが好きです。今さっきの話じゃなくて、ちゃんと、前から……あ……あい、して、います」
どうにも羞恥心が先行して、ついたどたどしくなってしまった。
春人は真っ赤な顔をした妻の思わぬ告白に、一瞬呆然と固まる。
だけど次の瞬間、くしゃりと顔を歪ませて口もとをほころばせた。
「──ありがとう」
たったひとことだったけれど、彼の表情と声音から、充分にうれしさが伝わってきた。
結乃も思わず破顔して、それからふたりはどちらともなく唇を重ねる。
「ん、は……あ、はると、さん」
深いキスをしながら自然と春人の指先が結乃のパジャマのボタンを外しにきていて、息継ぎの合間につい引き止めるように声を漏らした。
「なんだ?」
「あの……する、なら、ベッドで……」
頬を染めてもじもじと“お願い”をする結乃の仕草に、春人はクラッと眩暈のような破壊力を覚えつつもなんとかうなずく。
「わかった」
簡潔に答え、ひょいと結乃の身体を軽々と横抱きにして立ち上がる。
春人のこの行動は予想外で、結乃は「ひゃあっ」と小さく悲鳴を上げた。目の前にあった彼の首にしがみつき、なすすべなく寝室へと運ばれていく。
「悪い、結乃。今の俺は、いつも以上に余裕がない」
壊れものを扱うようにそっと背中からベッドに下ろされるなり、神妙な顔の春人が申告してきた。
結乃は丸いタレ目をきょとんとまたたかせて、それから笑みをこぼす。
「そんなの……私こそ、余裕があったことなんてありませんよ」
そうしてくすくすと笑う彼女は目を閉じ、自分に覆いかぶさった春人の唇を受け止めた。
名前を呼んで、頬に触れる大きな手を今度は自分の手のひらできゅっと掴む。
そうして結乃は、精一杯の笑顔で春人を見つめた。
「私も、あなたのことが好きです。今さっきの話じゃなくて、ちゃんと、前から……あ……あい、して、います」
どうにも羞恥心が先行して、ついたどたどしくなってしまった。
春人は真っ赤な顔をした妻の思わぬ告白に、一瞬呆然と固まる。
だけど次の瞬間、くしゃりと顔を歪ませて口もとをほころばせた。
「──ありがとう」
たったひとことだったけれど、彼の表情と声音から、充分にうれしさが伝わってきた。
結乃も思わず破顔して、それからふたりはどちらともなく唇を重ねる。
「ん、は……あ、はると、さん」
深いキスをしながら自然と春人の指先が結乃のパジャマのボタンを外しにきていて、息継ぎの合間につい引き止めるように声を漏らした。
「なんだ?」
「あの……する、なら、ベッドで……」
頬を染めてもじもじと“お願い”をする結乃の仕草に、春人はクラッと眩暈のような破壊力を覚えつつもなんとかうなずく。
「わかった」
簡潔に答え、ひょいと結乃の身体を軽々と横抱きにして立ち上がる。
春人のこの行動は予想外で、結乃は「ひゃあっ」と小さく悲鳴を上げた。目の前にあった彼の首にしがみつき、なすすべなく寝室へと運ばれていく。
「悪い、結乃。今の俺は、いつも以上に余裕がない」
壊れものを扱うようにそっと背中からベッドに下ろされるなり、神妙な顔の春人が申告してきた。
結乃は丸いタレ目をきょとんとまたたかせて、それから笑みをこぼす。
「そんなの……私こそ、余裕があったことなんてありませんよ」
そうしてくすくすと笑う彼女は目を閉じ、自分に覆いかぶさった春人の唇を受け止めた。