転生夫婦の新婚事情 ~前世の幼なじみが、今世で旦那さまになりました~
『たまには、ちょっといいホテルで贅沢なランチでもしましょう』──叔母からのそんな素敵な誘いにのってウキウキと待ち合わせ場所に来てみれば、このあと自分が向かうのはレストランではなくラウンジで、しかもお見合いだなんて。
今の自分の生活の大半は忙しくとも充実した仕事が占めていて、けれどもそれでいいと思っていた。結婚なんて、まだまだ考えてすらいなかったのに。
とはいえ、どうやら美智代はすでにこのお見合いをセッティング済で、今日このホテルのラウンジには結乃のお見合い相手にあたる男性とその母親が来ることが決まっているらしい。
ここで自分が逃げ出してしまっては、相手方の母親と知り合いだという美智代の面目を潰してしまうだろう。
バッグを持つ手に力を込め、結乃は諦めて覚悟を決める。
「もう……本当に、会うだけだからね?」
しぶしぶつぶやけば、前を歩く美智代が歩みを止めずにコロコロと笑った。
「あらま、わかりやすく嫌そうにしちゃって。でもきっと、結乃ちゃんも会えばその気になるわよー? 私も写真でしか見てないけど、お相手の男性すっごくイケメンだから!」
「へー……」
力説する叔母の言葉にも、対する結乃は冷めた態度だ。
今の自分の生活の大半は忙しくとも充実した仕事が占めていて、けれどもそれでいいと思っていた。結婚なんて、まだまだ考えてすらいなかったのに。
とはいえ、どうやら美智代はすでにこのお見合いをセッティング済で、今日このホテルのラウンジには結乃のお見合い相手にあたる男性とその母親が来ることが決まっているらしい。
ここで自分が逃げ出してしまっては、相手方の母親と知り合いだという美智代の面目を潰してしまうだろう。
バッグを持つ手に力を込め、結乃は諦めて覚悟を決める。
「もう……本当に、会うだけだからね?」
しぶしぶつぶやけば、前を歩く美智代が歩みを止めずにコロコロと笑った。
「あらま、わかりやすく嫌そうにしちゃって。でもきっと、結乃ちゃんも会えばその気になるわよー? 私も写真でしか見てないけど、お相手の男性すっごくイケメンだから!」
「へー……」
力説する叔母の言葉にも、対する結乃は冷めた態度だ。