転生夫婦の新婚事情 ~前世の幼なじみが、今世で旦那さまになりました~
結乃に結婚の同意を得た春人の、それからの行動は速かった。
まずはこの場を離れていた親たちを呼び寄せると『俺たち結婚するから』と堂々宣言。場所をロビーに移したのち、結乃にも電話で両親へ結婚の報告をさせた。
自らも電話を通して結乃の両親に完璧な挨拶を済ませると、その場であっという間に両家の顔合わせ食事会の約束を取り付けてしまう。
結乃の気が変わらないうちにと全力で外堀を埋めていく行動力には、目の前で見ていた彼の実の母親でさえポカンと言葉を失っていた。
後日都内の高級料亭で行った食事会は、終始和やかな雰囲気でつつがなく終了。また別日にはこれからともに住むことになる春人のマンションへ結乃と両親を招待して、内見がてら買い足さなければいけない家財道具等の確認を済ませた。
そして、初対面以降会うのは三度目になる本日。
春人からの誘いを結乃が受け、今回初めてふたりは、デートらしきものを敢行するに至ったのである。
待ち合わせ場所のコーヒーショップには結局寄らず、直接ディナーを予定していた店へと向かうことにした。
春人が事前に予約をしていた雰囲気のいいカジュアルフレンチに舌鼓を打ちながら、会話は弾む。
「えっ! 【UTOPICKS!】って、春人さんが開発したんですか?!」
ワインのせいか、結乃の頬はほんのり赤くなっている。
無防備なその顔を見せてもらえることへの優越感をひそかに覚えつつ、春人はうなずいてみせた。
「ああ。まあ、正しくは俺ともうひとりの創業者だ」
「うわあ、本当にすごい人だ……【UTOPICKS!】は、私もずっと使ってますよー」
「そうか。それはありがたいな」
まずはこの場を離れていた親たちを呼び寄せると『俺たち結婚するから』と堂々宣言。場所をロビーに移したのち、結乃にも電話で両親へ結婚の報告をさせた。
自らも電話を通して結乃の両親に完璧な挨拶を済ませると、その場であっという間に両家の顔合わせ食事会の約束を取り付けてしまう。
結乃の気が変わらないうちにと全力で外堀を埋めていく行動力には、目の前で見ていた彼の実の母親でさえポカンと言葉を失っていた。
後日都内の高級料亭で行った食事会は、終始和やかな雰囲気でつつがなく終了。また別日にはこれからともに住むことになる春人のマンションへ結乃と両親を招待して、内見がてら買い足さなければいけない家財道具等の確認を済ませた。
そして、初対面以降会うのは三度目になる本日。
春人からの誘いを結乃が受け、今回初めてふたりは、デートらしきものを敢行するに至ったのである。
待ち合わせ場所のコーヒーショップには結局寄らず、直接ディナーを予定していた店へと向かうことにした。
春人が事前に予約をしていた雰囲気のいいカジュアルフレンチに舌鼓を打ちながら、会話は弾む。
「えっ! 【UTOPICKS!】って、春人さんが開発したんですか?!」
ワインのせいか、結乃の頬はほんのり赤くなっている。
無防備なその顔を見せてもらえることへの優越感をひそかに覚えつつ、春人はうなずいてみせた。
「ああ。まあ、正しくは俺ともうひとりの創業者だ」
「うわあ、本当にすごい人だ……【UTOPICKS!】は、私もずっと使ってますよー」
「そうか。それはありがたいな」