転生夫婦の新婚事情 ~前世の幼なじみが、今世で旦那さまになりました~
「そういえば、聞いたわ。隣国との戦に関する……陛下からの勅命」
「ああ」
彼女の言葉に、ハルトがあっさりうなずいた。
本当に、あっさりとしている。彼にとってそれは、いつもの無表情のままこうして簡単に話題に出せるようなものなのだ。
なんだか、緊張している自分が馬鹿らしい。吐息をこぼして肩の力を抜く。
「アルフレッド殿下の、初陣への随行──そんな大役任されるなんて、すごいじゃない」
数年前から小競り合いが絶えなかった隣国との国境付近で、先日とうとう決定的な出来事が起こってしまった。
隣国の兵士が、我がウィズラント王国の国境にある小さな村に火を放ったのだ。
炎は村すべてを焼き尽くすまで燃え盛り、村人たちに多くの犠牲を出した。
無抵抗の村へ理不尽に為されたその蛮行に、寛容な国王もとうとう決断した。国の尊厳をかけたこの戦は、御年17歳になる第1王子・アルフレッド殿下の初陣となる。
その戦へ、ハルトを含む近衛騎士数名が殿下の側近たちとともに向かうことが決まった。
風の噂でこの話を聞いてから、ユノはずっと落ちつかなかったのだ。
(けど、ハルトはいつも通りだ……)
それはつまり、彼にとっては感情を荒立てるほどのことではないということで。
きっと、ハルトは無事に帰ってくる。勝って、ここにまた帰ってくるつもりでいるんだ。
昔からずっと変わらない。幼なじみの強い心を垣間見たユノは、思わず頬を緩めてアイスブルーの瞳を見つめた。
「がんばって。立派に役目を果たしてね」
「ああ。わかってる」
迷いなくうなずいたハルトの力強い眼差しに、ホッと息を吐く。
それからユノは、気を取り直してまた彼を見上げた。
「ああ」
彼女の言葉に、ハルトがあっさりうなずいた。
本当に、あっさりとしている。彼にとってそれは、いつもの無表情のままこうして簡単に話題に出せるようなものなのだ。
なんだか、緊張している自分が馬鹿らしい。吐息をこぼして肩の力を抜く。
「アルフレッド殿下の、初陣への随行──そんな大役任されるなんて、すごいじゃない」
数年前から小競り合いが絶えなかった隣国との国境付近で、先日とうとう決定的な出来事が起こってしまった。
隣国の兵士が、我がウィズラント王国の国境にある小さな村に火を放ったのだ。
炎は村すべてを焼き尽くすまで燃え盛り、村人たちに多くの犠牲を出した。
無抵抗の村へ理不尽に為されたその蛮行に、寛容な国王もとうとう決断した。国の尊厳をかけたこの戦は、御年17歳になる第1王子・アルフレッド殿下の初陣となる。
その戦へ、ハルトを含む近衛騎士数名が殿下の側近たちとともに向かうことが決まった。
風の噂でこの話を聞いてから、ユノはずっと落ちつかなかったのだ。
(けど、ハルトはいつも通りだ……)
それはつまり、彼にとっては感情を荒立てるほどのことではないということで。
きっと、ハルトは無事に帰ってくる。勝って、ここにまた帰ってくるつもりでいるんだ。
昔からずっと変わらない。幼なじみの強い心を垣間見たユノは、思わず頬を緩めてアイスブルーの瞳を見つめた。
「がんばって。立派に役目を果たしてね」
「ああ。わかってる」
迷いなくうなずいたハルトの力強い眼差しに、ホッと息を吐く。
それからユノは、気を取り直してまた彼を見上げた。