転生夫婦の新婚事情 ~前世の幼なじみが、今世で旦那さまになりました~
「春人さん……?」
ゴロリと自分の左隣に寝転がった春人に、うかがうような上目遣いを向けた。
彼はまぶたを下ろし、再度吐息をこぼす。
「……わかった。今日はもう何もしない」
「え」
自分で懇願したくせに、結乃は驚いた声を漏らした。
だけど本当にそれ以上春人は動く気がなさそうで、身体の力を抜く。
「あ……ありがとうございます、春人さん」
深くを追及しない彼に感謝しながら、笑みを浮かべた。
目を開けていた春人は横目でそれを見て、そっと彼女の頬に片手を伸ばす。
「おやすみ、結乃」
左手の指の背で、すり、と右の頬を撫でられた。
無表情ながらやわらかい声音に、とくんと胸が高鳴る。
「……おやすみなさい」
結乃が返すと、春人がふっと口もとを綻ばせた気がした。
その後、あたたかな羽毛布団をかけてベッドボードのライトを消し、ふたりは本格的に就寝の体勢になる。
まぶたを閉じた彼の隣で、申し訳ない思いをいっぱいに抱えながら整ったその横顔をひそかに見つめる。
今夜このまま、春人に抱かれるつもりだった。
けれども先ほど、無意識に前世での彼の瞳の色を思い出そうとして、自分のあやまちに気づいたのだ。
ゴロリと自分の左隣に寝転がった春人に、うかがうような上目遣いを向けた。
彼はまぶたを下ろし、再度吐息をこぼす。
「……わかった。今日はもう何もしない」
「え」
自分で懇願したくせに、結乃は驚いた声を漏らした。
だけど本当にそれ以上春人は動く気がなさそうで、身体の力を抜く。
「あ……ありがとうございます、春人さん」
深くを追及しない彼に感謝しながら、笑みを浮かべた。
目を開けていた春人は横目でそれを見て、そっと彼女の頬に片手を伸ばす。
「おやすみ、結乃」
左手の指の背で、すり、と右の頬を撫でられた。
無表情ながらやわらかい声音に、とくんと胸が高鳴る。
「……おやすみなさい」
結乃が返すと、春人がふっと口もとを綻ばせた気がした。
その後、あたたかな羽毛布団をかけてベッドボードのライトを消し、ふたりは本格的に就寝の体勢になる。
まぶたを閉じた彼の隣で、申し訳ない思いをいっぱいに抱えながら整ったその横顔をひそかに見つめる。
今夜このまま、春人に抱かれるつもりだった。
けれども先ほど、無意識に前世での彼の瞳の色を思い出そうとして、自分のあやまちに気づいたのだ。