転生夫婦の新婚事情 ~前世の幼なじみが、今世で旦那さまになりました~
結乃が気づかないうちに、結婚指輪と一緒に受け取っていたのだろうか。箱には午前中にふたりが訪れた、ジュエリーショップのロゴがある。
彼女は目を見開くと、パッと顔を上げて隣の春人を見た。
「これ……」
「今朝も言ったが……誕生日、おめでとう。俺からのプレゼントだ。受け取って欲しい」
真摯な表情でそう言われた結乃は、戸惑ったように「えぇっ?!」と声を上げる。
「だって、このデート自体がプレゼントじゃ……」
「もちろんそれもあるが、形に残るものも贈りたいと思ったから」
キッパリ言って、春人が視線で小箱を受け取るよう促した。
結乃はおずおずと控えめに、けれどもうれしさを隠しきれない顔で春人からのプレゼントを丁寧に持ち上げ、上目遣いに彼と目を合わせる。
「開けてみても、いいですか?」
「ああ」
春人の答えを聞き、そっとリボンをほどく。
そうして箱の蓋を開けて姿を現したのは、添えられたダイヤモンドがみずみずしい輝きを放つ、しずくモチーフのネックレスだった。
手にした箱の中身を見つめたまま固まっている結乃の顔を、春人が覗き込む。
「ダイヤモンドは、4月の誕生石でもあると聞いたんだが……気に入らなかったか?」
少なからず不安そうなその声音にハッとし、結乃は勢いよく首を左右に振った。
「違います! あの、ほんとに素敵で、言葉が出なくて……っ」
「……そうか」
彼女のセリフを聞いて、春人は安堵の息を吐く。
そんな彼を前に、結乃はきゅ、と下唇を噛むと、椅子に腰かけたまま身体ごと右隣の春人へと向き直った。
彼女は目を見開くと、パッと顔を上げて隣の春人を見た。
「これ……」
「今朝も言ったが……誕生日、おめでとう。俺からのプレゼントだ。受け取って欲しい」
真摯な表情でそう言われた結乃は、戸惑ったように「えぇっ?!」と声を上げる。
「だって、このデート自体がプレゼントじゃ……」
「もちろんそれもあるが、形に残るものも贈りたいと思ったから」
キッパリ言って、春人が視線で小箱を受け取るよう促した。
結乃はおずおずと控えめに、けれどもうれしさを隠しきれない顔で春人からのプレゼントを丁寧に持ち上げ、上目遣いに彼と目を合わせる。
「開けてみても、いいですか?」
「ああ」
春人の答えを聞き、そっとリボンをほどく。
そうして箱の蓋を開けて姿を現したのは、添えられたダイヤモンドがみずみずしい輝きを放つ、しずくモチーフのネックレスだった。
手にした箱の中身を見つめたまま固まっている結乃の顔を、春人が覗き込む。
「ダイヤモンドは、4月の誕生石でもあると聞いたんだが……気に入らなかったか?」
少なからず不安そうなその声音にハッとし、結乃は勢いよく首を左右に振った。
「違います! あの、ほんとに素敵で、言葉が出なくて……っ」
「……そうか」
彼女のセリフを聞いて、春人は安堵の息を吐く。
そんな彼を前に、結乃はきゅ、と下唇を噛むと、椅子に腰かけたまま身体ごと右隣の春人へと向き直った。