転生夫婦の新婚事情 ~前世の幼なじみが、今世で旦那さまになりました~
「ありがとう、春人さん。本当に本当に、うれしいです。こんなに素敵な誕生日プレゼント、初めて貰いました」
照れくさそうな満面の笑みを受け止め、春人は一瞬息を呑む。
自分をまっすぐに見つめる結乃の瞳がうるんで見えるのも、その頬に朱が差しているのも、気のせいではないだろう。
言葉通り、心から彼女がよろこんでくれているのがわかって、春人の胸は高揚する。
「よかった。……貸してくれ。今、つけよう」
そう言って結乃からネックレスを受け取った春人は、こちらに背を向けた彼女の首に贈ったばかりのネックレスをかけた。
眼前に晒された無防備なうなじに不埒な想いを抱きつつ、ひそかに深呼吸をして「できた」とささやく。
「へへ。どうですか?」
再びこちらへと向き直ってはにかむ結乃に、春人も穏やかな微笑みを見せた。
「似合ってる。綺麗だ」
「ありがとうございます。ほんと、うっとりしちゃうほど綺麗ですよねぇ。このネックレスにふさわしい女性になれるように、がんばらなくちゃ」
春人としては『ネックレスをつけた彼女“が”』という意味のつぶやきだったのだが、当の本人はそうは受け取らなかったらしい。
何やら意気込む結乃の頭にポンと優しく片手を載せると、耳もとに唇を寄せた。
「がんばる必要はない。今のままの結乃でいい」
彼女の頬がまた熱くなる。
その声は、たとえるなら蜂蜜だ。とろりとなめらかで、けれども油断するとすぐにこびりついて離れなくなってしまう危険な甘さを含んでいる。
照れくさそうな満面の笑みを受け止め、春人は一瞬息を呑む。
自分をまっすぐに見つめる結乃の瞳がうるんで見えるのも、その頬に朱が差しているのも、気のせいではないだろう。
言葉通り、心から彼女がよろこんでくれているのがわかって、春人の胸は高揚する。
「よかった。……貸してくれ。今、つけよう」
そう言って結乃からネックレスを受け取った春人は、こちらに背を向けた彼女の首に贈ったばかりのネックレスをかけた。
眼前に晒された無防備なうなじに不埒な想いを抱きつつ、ひそかに深呼吸をして「できた」とささやく。
「へへ。どうですか?」
再びこちらへと向き直ってはにかむ結乃に、春人も穏やかな微笑みを見せた。
「似合ってる。綺麗だ」
「ありがとうございます。ほんと、うっとりしちゃうほど綺麗ですよねぇ。このネックレスにふさわしい女性になれるように、がんばらなくちゃ」
春人としては『ネックレスをつけた彼女“が”』という意味のつぶやきだったのだが、当の本人はそうは受け取らなかったらしい。
何やら意気込む結乃の頭にポンと優しく片手を載せると、耳もとに唇を寄せた。
「がんばる必要はない。今のままの結乃でいい」
彼女の頬がまた熱くなる。
その声は、たとえるなら蜂蜜だ。とろりとなめらかで、けれども油断するとすぐにこびりついて離れなくなってしまう危険な甘さを含んでいる。