その熱、受け止めて〜℃〜
だけどそんな私がどうして彼を誘ったのか。


それはほんの数週間前のことーーー


いつもの飲み仲間たちと楽しく飲んだあと私は薫のバーに立ち寄った。


飲み仲間との会話でたまたま小学生の頃に流行ってたゲームの話が話題になって、そこでちょっとしたジェネレーションギャップを感じてしまったのだ。


たかがゲーム。


取るに足らないこと。


だけど、その5年という月日は私に重くのしかかっていた。


「みんなと同じくらいの歳だったらなぁ。」


いつものように笑いながらみんなに向けて言いつつ本音は心の中でそっと呟いた。


ーーーせめて、君とだけは同じ歳が良かったな…


届くはずのない思いだけが吐き出されることなく喉元から胸へとまた落ちていく。


そんなモヤモヤとした想いを抱えたまま家に帰るのも虚しくて。


つい薫のバーにやってきたら、バッサリと切り捨てられた。





「お前さ、そいつの年齢だけしかみてないのな。もっと知らなきゃいけないことあるんじゃないの?」




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