【短編】コイイロ世界
―――――――――――
「―つき、未月!」
頭の片隅で聞こえる声…
聞き慣れた声は私の名前を何度も繰り返す。
「まだ…眠い…」
目を擦りながら、軽く言葉を返す私
「遅刻するだろ?」
―バッ!
アナタは私の布団を無理矢理剥がして、温もりを奪ってしまった。
「寒いっ!!」
私:【朝比奈 未月(アサヒナ ミツキ)】は
少し不機嫌ギミに
彼:【瀬川 恭(セガワ キョウ)】に文句を言う。
目を開いて1番に目にしたのは
アナタのなんの悪びれもない優しい笑顔。
「毎朝、すぐ起きない未月が悪いだろ?
夜早く寝れば起きれるだろうに…」
ため息混じりに恭は呆れたような声を出してきた。
「…だって」
言い訳を考えながら目を逸らす
夜は起きていたい気分になるんだからしかたないじゃん…
小さく頬を膨らます
「早く準備しなよー」
「眠い…」
恭の声に反応するも、瞼が重たくて
今にも目を閉じてしまいそうになる。