【短編】コイイロ世界
すると、
「…じゃぁ――」
―ギシ…
という音とともに
「俺が着替えさせてあげよっか?」
小悪魔な笑みを浮かべた恭が、私に顔を近づけてきた。
「…きょ……」
「ん?」
二人の体重を乗せたベッドがギシ…っと
また軋んだ音をたてた。
「お脱がせしましょうか?―お嬢様?」
「――つッ!!!
けっこうですっ!!」
私は手元のクッションを恭に投げ付けた。
「アハハ、ゴメンゴメン!」
恭は笑いながら
私の投げたクッションを軽々とキャッチしてしまった。
ムカー
全然悪いって思ってないじゃん!