【短編】コイイロ世界
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『ねぇ、未月ってやっぱり恭くんと付き合ってるんでしょ?!』
教室に入った早々彼女らの黄色い声が響き渡る。
たまかぁ…
聞き飽きたその質問
「違うって、
恭と私はただの“幼なじみ”
付き合ってるわけないよ…。」
なんで
付き合ってるなんて思うの…?
私達は普通の幼なじみ同士なのに
―キーン、コーン………
チャイムの音が鳴ったと共に、私はサッと自分の席へとついた。
―入学してから…
さっきの質問は数えきれないぐらいされてきた。
同級生に始まり…
先輩
先生
近所の人にまで
私達の関係は怪しまれる。
それでも私は、毎回のことながら
なんとか否定し続けてきている。