【短編】コイイロ世界
『未ー月、おはよ♪』
「凛ちゃん♪オハヨー」
肩をポン!と叩かれ、隣の席の凛(リン)ちゃんは席についた。
『今日もまた質問責めされてたよね‥
大丈夫だった?』
凛ちゃんは心配そうな瞳で私を見てくる。
「大丈夫、いつものことだもん。」
慣れちゃったから
『‥そっか。
未月も早く彼氏つくればいいのにー』
「か、彼氏!?私はまだいいって!
好きな人もいないし…」
私は慌てて、凛ちゃんの言葉を否定する。
『そうなん?
いっそ噂の彼と付き合っちゃえばいいのにー』
…………はいぃ!?
恭と…私が?
そんなの……
「ありえないよ!
恭と私は“幼なじみ”だもん♪」
恋愛感情なんて芽生えないよ…
『……“幼なじみ”ねぇー』
「?」
凛ちゃん?
『…未月は、恭が誰かのものになってもいいの?』
「…えっ……?」
『……そのとき、未月はそのままでいられるの…?』
誰かの…もの……?
恭が…――
「…凛ちゃん、それって―――――」
『ゴメン!
やっぱなんでもない!
なんかシリアスになってゴメンね!』
なんとなく思っただけだから!っと
凛ちゃんは変にごまかすような態度をとり、話の話題を変えてしまった。
私は凛ちゃんの話に言葉を合わせながらも、頭では凛ちゃんの言葉を理解するのに、精一杯だった………