時が満ちる


澄んだバラ色の声で発声したい・・




効き耳が錆びて居ないか・・・と



準備万端整えた筈の夕暮れ・・・



真っ黒な泥で心の俎板を塗り潰される事件が起きた。



こんな筈でなかった・・・



絶対に後悔しない愛だと自信を持って注いだ愛の日々だった。



ある日突然・・・「貴方は泥棒だ」と



土足で畳の上を小走りに入ってきた。



それは大好きな姉の子・・・




「貯金通帳を取っただろう。」とテーブルを叩く。



 「そんな筈はない。通帳を郵送した筈・・印鑑も一緒に。」



「嫌・・通帳を貰った記憶がない。絶対に貴方がお金を使っただろう。」



「じゃ証を立てよう・・・ATMに映った映像を貰おう。。すると誰が

 

お金を払い戻したか‥証明できるから・・



映し出された人は姪の娘だった。



姪は交通事故で記憶を失った。



姪の力になろうと最善を尽くして姪の財産を預かった筈・・



愛が憎しみに変った瞬間・・・



傷ついた愛が黒い霧となって今も心の中を右往左往して居る。






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