時が満ちる
それを聞いた圭太は素直にそうだと相槌を打つわけには行かない。
一途に愛した信念が納得しなかった。
圭太は言った・
哲夫君の意見は参考にするよ・・・大いに参考になる・・・
元子さんは心遣いの繊細な家事の仕事は申し分ない・・・料理も掃除も
駒ネズミのように動き回り家族の笑顔を生み出せる女性だよ・
魅力的な元子と結婚を決断しなかった俺は愛を計りに
かけた醜い男なんだ・・
野菜や果物を生産するように愛も生産するものだと思うよ。
それには料理や掃除や・・・洗濯や地味な仕事で家族が喜ぶような
仕事をすることが愛と信頼と絆を生産することでないかしみじみ思うんだ。
今真の愛を悟っても遅い・・・・茜の夢を叶えさせる約束もしている。
今離婚したら元子も裏切り茜の約束も破る男になってしまう。
だから哲夫君の意見と僕の考えを併せて返事を書くよ。
そう言う圭太の顔は寂しそうだった。。
愛が欲しい・・・温もりが欲しい・・・
そんな訴える寂しさが体全体に滲んで居た。