時が満ちる
何時書いたのか・・・小さなメモの紙切れを裕子の手元に置いて行った。
「しじみ鍋美味しかったよ・・僕の生涯で忘れられない鍋会になった。
鍋会の会員になり鍋が人生を切り開く切っ掛けになったような気がする。
生きる温もりを裕子さんのお母さんから頂いたような気がするよ。
貴方の家族の温もりが鍋の旨味になったと思うよ。貴方の
家族のような温もりを分てる人生を歩みたいよ・・僕は・・・
何時かゆっくり鍋を囲んで話をしたいね。」と書いた紙を
読んだ裕子はお母さんに見せた。
「鍋会の会員になって良かったね。鍋が幸せを生むならこんな素敵なことは
ない。食卓から愛が生まれるとは思うけど‥鍋から幸せが生まれるなんて
素晴らしいよ・・・大いに鍋会を盛り上げれば良いね。」と
恭一の手紙に感動した。