時が満ちる
「真奈美・・貴方と永遠の愛を誓おう・
もし真奈美との愛が変わったら・・その時はこの短刀で僕は死ぬ。」
そこまで誓った実の愛に真奈美は真剣に向き合った。
なのに警察学校を卒業した実は迎えに出た真奈美の前に
玲奈とふたり連れだって帰って来た。
「この人は誰なの・・・」そう聞きたかったが・・
実の背中にぴったり隠れた玲奈を見た真奈美は・・・・直感で解った、
聞く必要もないと思い「おめでとう良かったね。」と言いながら
実の前からが走り去った。
あれはなんだ。あの時の約束は嘘だったのか。
短刀を交わし合った愛なのに・・・・・
咄嗟の実の変貌に真奈美は錯乱状態になった。
一夜を眠れないまま・・・
明日は授業があるが眠れない。
実が警察学校を卒業したら結婚をしようと約束して居た真奈美は
混乱したまま朝を迎えて学校へ行った、
今日から夏休み・・・
目の前に生徒は居ないだけ救われたような気がした。
静かな教室でとめどなく涙が流れた・・
これまで実と話し合ったことが脳裏をぐるぐる回った。
「短刀を翳して永遠の愛を誓った・・あれは演技だったのか?
確かな愛を交わし命を懸けた約束の愛が演技だとは?
泣きながら短刀を握りしめた。