時が満ちる


数字が喋った・・・確かに数字の声を聞いた。




空耳ではない・・・




数字が会話をする・・ 妄想でない・・・




幻想でない・・・確かに聞いた・・・数字の声を・・・





紙面の上の数字が動いて・・・動いて・・喋った・




PCの株ボードの上から・・・



市場の現場から・・・



甲高い声が聴こえる、



「売りが3180・・これ以上安くは売らないよ。




買いの方々より



買いの数値を3175に上げなさいよ・・何もさもさして居るの・・




買いたい人が並んで焦って居るよ。」



すると売り手の数字が眼を光らせて叫んだ・・・



「あなた方こそ買いたいんでしょう。」




売り手の怒鳴る声がする。・・



株価ボードの3180と3175が睨めっこ・・・・動かないの・・睨めっこ




買い手が急ぐ・・



「時間がないんだよ。 嫌々売りの方・・現在午前の終わり11時10分だよ。



3175で売りを出しなさいよ。そうすれば3170の買いたい方が



9600人も居るんだよ。」



あらら・・一瞬の内に買いが上がってしまった。



11時12分買いが3190に上がってしましった。


やはり買いたい人が多いんだね。」



買い手が苛々しながら・・・



「売り手は賢い3180から動かないよ・。



少しでも高く売りたいんだよ。投資家の気持が解るだろう。」





あっと言う間に売りが3300に上がった。




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