時が満ちる

ドタン~…バッチン



何だ・・なにが起きたの‥・?



家族は一斉に聞き耳を立てた。



思わず視線を合わせた家族がびっくり・・・



何だ・・ あの音は・・?



びりびりっと障子が破けるような音・・・



時計を見ると7時35分・・



今朝も寝過ぎたのか・・



何を言われても明美は聞く耳を持たない。



「おはよう・・・どうしたの・・障子戸が破けてしまうんじゃないの。」



母親が大きな声で言った。




「行ってらっしゃい・・気を付けてね。」と言う母親の声を




掻き消すように・・ぶ~~んと発射する車の音・・・。




何の返事も帰って来ないことは承知しながらも・・



挨拶は交わそうと母親は話し合って居た。




ぎゅう~~ばたん・・・・夕方6時・・・玄関のドア―が開いた。



「早かったね・・お帰り・・お疲れ様。こんばんは餃子だよ。」



と祖母の声がした。



とんとんとん・・・・2階に行ったようだ・・・



何の返事もない・・・




家族は何時ものことなので気にしない・



もしや個室で育った明美だから・・



表現力が育って居ないのかも・・・




独り暮らしの長かった明美は家族に馴染めないのか・・



返事を求めないで言葉を掛けようと家族で話し合う日々である。







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