お前は俺だけのものだ〜私はあなたに相応しくありません
「誄様、今日は一段とご気分がよろしいようでございますな」

「わかるか、みくるの作る料理が最高でさ、これがまたうまいんだよな」

「それはよろしゅうございましたな」

俺はしばらく気分良く過ごした。

そんなある日、朝、みくるがマンションに来なかった。

俺は心配になり、みくるをアパートまで迎えに行った。

「みくる、大丈夫か何かあったのか?」

「社長?」

みくるは俺と確認してからドアをそっと開けた。

「みくる、どうした?」

みくるは肩を震わせて目にいっぱいの涙を浮かべていた。

「みくる、何があったんだ」

俺は尋常じゃないみくるの姿に危機感を覚えた。

みくるは外の様子を伺い、それから俺を部屋に招き入れた。

「あまり、見ないでください、ビックリしますよね、何にもなくて質素すぎて」

「あっ、いや」

俺は懐かしさを覚えた。
今の生活の前はこんな感じのアパートに住んでいた。
何もなく、質素な部屋だった。
あの時の俺は生活を切り詰めて生きていくのに必死だった。
余裕などなく、なんのために生きているのかさえ分からなくなることもあった。

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