お前は俺だけのものだ〜私はあなたに相応しくありません
「みくるは貴重品だけ持っていけばいいから、俺のマンションに行こう、あとは業者に任せればいいから」

「ご迷惑かけてすみません」

みくるは俯いたまま謝っていた。

「じゃ行くよ」

そしてみくると俺のマンションに向かった。

「みくるはこの部屋を使ってくれ、じきに荷物が届くから」

「社長、ありがとうございます、なんてお礼したらいいか」

「気にしなくて大丈夫だから、なんかみくる見てると放っておけないんだよな」

みくるは俺を見つめて目を潤ませた。

そんなみくるを俺はずっと側に置いておきたいと思った。

それからみくるとの生活が始まった。

「おはよう、今日も頑張るぞ」

「いってらっしゃいませ」

今日からみくるがマンションにずっといると思うとウキウキしている自分がいることに気づいた。

自然と仕事にも力が入る。

終業時間を間近に控えて、みくるに携帯を持たせようと考えついた。

俺は仕事が終わるとスマホを購入するべく、携帯ショップへ向かった。

みくるとメールが出来ると思うと嬉しくて自然と顔が綻んだ。

携帯は持っていなかったし、彼女もいなかった俺はこの状況にテンションがハイになっていた。



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