お前は俺だけのものだ〜私はあなたに相応しくありません
それからたわいも無い日常が流れて行った。

「みくる、産婦人科の検診一緒に行くから」

みくるはビックリした表情を見せた。

「だ、大丈夫です、一人で行けます」

「俺はみくるの雇主だ、責任があるから、妊娠中の注意事項を聞いておかないとな」

そして俺はみくると産婦人科に向かった。

「冬紀みくるさん、診察室にお入りください」

俺とみくるは診察室に入った。

「体調はいかがですか?この間の申し出はどうするか決まりましたでしょうか」

「出産します」

俺ははっきり答えた。

「あのう、失礼ですが冬紀さんとはどのようなご関係でしょうか」

「結婚を申し込んでいるんですが、まだ良い返事は貰えなくて」

「社長!」

みくるは慌てた様子で「違うんです」と否定していた。

「そうですか、では注意事項がありますので説明致しますね」

「はい」

俺は先生の話に耳を傾けた。

「現在妊娠二ヶ月に入ったところですので、これからつわりが始まります、無理して食べる必要はありません、無理をせずにストレスを溜めずに過ごしてください」

「わかりました」

「あと、パートナーの方に申し上げます、安定期に入るまで流産の危険がありますので営みにはご注意ください」

俺は思った。
キスも許してもらってないのにいつの事になるかとため息をついた。

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