お前は俺だけのものだ〜私はあなたに相応しくありません
九条財閥会長九条権蔵は余命半年と宣告された。

権蔵は九条リゾートホテルを経営しており、後継者に悩んでいた。

「おい、ちょっと調べて欲しいことがある」

そう言って、秘書にあることを調べさせた。

権蔵は二十八年前華園恵子と言う女性と恋に落ちた。

結婚していた権蔵は、恵子が妊娠したことにより妻と別れるつもりだったが、恵子は権蔵の前から姿を消した。

恵子の息子を探し出し、九条財閥の後継者と考えていた。

しばらくして権蔵の元に朗報が届いた。

「会長、見つかりました、華園恵子さんが二十八年前出産した男の子は、華園誄様です、残念ながら恵子さんはお亡くなりになっていました」

「そうか、誄は誰に育てられたんだ」

「児童養護施設です」

「現在は二十八歳か、どこで働いている?」

「本間コーポレーションに勤めております」

「誄はわしが父親と認識しているだろうか」

「恵子様がどこまで話しているかわかりませんので、なんとも申し上げられません」

「誄と会う段取りをつけてくれ」

「かしこまりました」

恵子、近いうちにそっちへ行くよ。

誄に九条の全てを譲るからな、安心してくれ。




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