お前は俺だけのものだ〜私はあなたに相応しくありません
俺とみくるはマンションに戻った。

「どうした?みくる」

不安そうなみくるの表情が気になった。

「つわりが始まったら、仕事出来るか自信がありません」

「出来なかったらしなくていいよ、先生も無理せず生活を送るようにって言ってただろ?」

「でも・・・」

俺はみくるに心配しないで、出産に望んでほしかった。
その為に極端な話、何もしなくていいと思ってるくらいだ。
しかし、みくるは俺に雇われているから仕事をしなければと責任感を露わにしていた。

「じゃあ、無理しない程度に出来るだけやってくれ」

「はい、わかりました」

「今日は飯作れる?」

「大丈夫です」

みくるはニッコリ微笑んでキッチンに向かった。

そんなみくるの笑顔が堪らなく可愛いと感じた。

しばらくしてつわりが始まった。

みくるは気分が悪いと横になっている日が多くなった。

「ただいま、みくる?大丈夫か」

「お帰りなさい、すみません、これから支度します」

みくるは辛そうな表情を浮かべた。

「みくる、無理しなくていいから、今日はカップ麺で済ますよ」

「それでは栄養が偏ります」

「全然平気だよ、昔は金無かったから毎日のようにカップ麺食べていたな」

みくるは不思議そうな表情を浮かべた。

やべえ、調子に乗って過去の事を喋り過ぎた。

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