お前は俺だけのものだ〜私はあなたに相応しくありません
「誄様、この間お見合いなさった神崎財閥のご令嬢瑠美様より是非またお会いしたいと連絡がありました」

「神崎財閥?」

「覚えていないのですか?神崎瑠美様です」

「ああ、あのお嬢さんね、お前に言われて高級ホテルのディナーに連れて行ったんだっけ」

平野は満足そうな表情を俺に向けた。

「左様でございましたか、ご結婚まで決まるとよろしゅうございますな」

「結婚?俺は結婚はしないよ」

平野は途端に呆れた表情になった。

「このままお一人で生きていかれるのですか?みくるさんのことは諦めてください、まさか、みくるさんとお付き合いされているなんて事はないでしょうね」

俺としたことがギクっと一瞬動揺してしまった。

「誄様社用車をお使いにならない理由はみくるさんとお会いになっているのですか?」

「ち、ちげーよそんな事ないよ」

平野は大きなため息をつき、お説教が始まった。

「誄様、まずその言葉使いはおやめください、ちげーよなどと言う日本語はございません」

「ハイハイ、わかりました」

「それから、みくるさんとはもうお会いにならないでください、明日から社用車でお迎えに参ります」

俺は仕方なく平野の言いつけを守ることにした。



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