お前は俺だけのものだ〜私はあなたに相応しくありません
それから俺は平野の監視の元窮屈な日々を送る羽目になった。

みくるに連絡しないとな。

俺はみくるにラインを送った。

[みくるごめん、平野に怪しまれて、社用車で送り迎えしてもらうことになっちゃった、熱りが覚めるまでちょっと会えない、ごめんな]

みくるからラインが返って来た。

[大丈夫ですよ、お気になさらないでください]

ラインだと気持ちが全く読めない。

みくる、怒ってないかな、良かったなんて思われてたらどうしよう。

この時みくるが寂しくて泣いていることなど想像もつかなかった。

俺は平野に見張られて昼休みも無い状況に追い詰められていた。

仕事からマンションに戻り、夜になってからみくるに電話した。

『みくる、大丈夫か、ごめんな』

『大丈夫です、でもちょっと気分悪いのでもう切ります、おやすみなさい』

みくるとの待ちに待った会話はあっという間に終わった。

マジかよ、大丈夫かなぁ。

俺はプライベート車は平野に取り上げられた。

歩いて行くか。

俺はどうしてもみくるが気になり、みくるのアパートへ歩いて向かった。

車で十分の距離も歩くと結構かかると思った。

昔は金が無かったから電車を二駅位平気で歩いたが、人間は楽をするとダメだと改めて実感した。
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