お前は俺だけのものだ〜私はあなたに相応しくありません
やっと着いた。

待てよ、こんな時間に訪ねて迷惑か?

俺の気持ちばかり優先してどうなんだ。

みくるは気分が悪いと言っていた。

もう寝てるだろうな。

そうだ、ここで朝まで待つか。

俺はみくるのアパートの前で眠ることにした。

まさか一晩中みくるが泣き明かしていたことなど思ってもみない事だった。

俺はみくるのアパートの前で朝を迎えた。

ガチャっとドアが開く音がしてみくるが驚いた表情で俺を覗き込んでいた。

「誄さん、どうしたのですか?」

「みくる、おはよう」

俺はみくるが目を真っ赤に泣きはらしてる状況に戸惑った。

「どうしたんだ、泣いていたのか?」

みくるは顔を隠し、部屋の奥へ入っていった。

「みくる、入るぞ」

みくるは急いで顔を洗い「なんでもありません」とニッコリ微笑んだ。

なんでも無い状況ではない事位察しはついた。

でも問い詰めて嫌な事を思い出させる事は今必要では無いと思った。

「飯食わしてもらえるか」

「はい、大丈夫ですが・・・車はどうされたのですか」

「平野に取り上げられたから歩いて来た」

「えっ?」

「みくるが心配で歩いて来た、昨夜、ここに着いたんだが、具合が悪いと言っていたので朝まで待つことにした」

みくるは驚いた表情で俺を見つめた。


< 34 / 61 >

この作品をシェア

pagetop