お前は俺だけのものだ〜私はあなたに相応しくありません
そこへ平野が社用車で現れた。

「誄様、どう言うおつもりですか」

「平野!どうしてここがわかったんだ」

「こんな事だろうと思い、誄様の後をつけさせて頂きました」

俺はしまったと言う表情で俯いていた。

「誄様、車にお乗りください、マンションに戻り着替えて会社に向かいます」

「わかった」

平野はみくるに会釈をして車に乗り込んだ。

「みくる、後で連絡する、ごめんな」

「とんでもありません、ご心配をおかけしてすみませんでした」

みくるは丁寧に頭を下げた。

俺は仕方なく平野に従い、車へ向かった。

俺は車の中で黙っていた。

平野も珍しく何も言わなかった。

俺は昼休みにみくるに電話をかけた。

『みくる、大丈夫か、今朝は悪かったな』

『大丈夫です、それより一晩中通路で寝ていたのですか』

『ああ、みくるの様子が気になって矢も盾もたまらずみくるのアパートに向かって歩いていた、でもアパートに着いた時相当遅い時間だったから返って迷惑かと思って朝になったらインターホン鳴らそうと思って、帰るのも面倒だったからその場に寝ちゃったよ』

『風邪引いたらどうするつもりだったんですか、私のために無理しないでください』

『俺は無理はしてないよ』

『お仕事中ですよね、もう切ります』

電話は切れた。

泣いてた理由聞きたくて電話したけど聞けなかった。





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