お前は俺だけのものだ〜私はあなたに相応しくありません
「この事は知ってるの?」

「この事って?」

「僕がみくるさんの新たな雇い主になるって事」

平野さんが話していれば知ってるんだろうけど、
もしかして誄さんが平野さんに頼んだのかな。

お見合い相手が気に入って、私との契約を破棄したいと思ったのだとしたら・・・

「みくるさん?どうかした?」

「いいえ、どうもしません」

「じゃあ、早速行こうか」

私は海堂さんと共に九条リゾートホテルへ向かった。

受付で平野さんが対応してくれた。

「ようこそ、海堂社長、お話は纏まりましたか」

「ああ、来月からみくるさんを雇い入れますよ」

「そうですか、弊社といたしましては何も問題はございません、よろしくお願いします」

「アポは取っていないのですが、九条誄社長にご挨拶出来ますか」

「はい、ただいま確認して参ります」

平野さんは秘書の仕事も兼務しており、誄さんに確認を取り、海堂さんと私を社長室に案内してくれた。

「誄様、海堂ホールディングス社長海堂慎様がお見えになりました」

「はじめまして、海堂慎と申します、そしてこちらは来月から弊社で働いて貰う事になりました冬紀みくるさんです」

誄さんは私の顔を見て、驚きを隠せない様子だった。




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