お前は俺だけのものだ〜私はあなたに相応しくありません
「みくる！」

「みくるさんは御社との契約は既に切れていると伺っておりますので、何も問題はないかと」

俺は今の状況を飲み込むまで時間がかかった。

何で俺と個人契約したみくるが、急にこの男と現れて、来月からこの男の会社と契約することになったなんて、まずはこの男は誰なんだ、みくるとどう言う関係なんだ。

俺は訳がわからず戸惑いを隠せなかった。

俺はなんとか言葉を絞り出した。

「みくるは俺と個人契約をしているんだぞ、契約違反だ」

「では契約書を見せて頂きたいのですが」

「契約書は交わしていない、口頭で約束しただけだ」

「では無効になりますので、こちらの契約が有効です」

俺は悔しいが何も返す言葉がなかった。

みくると話がしたくて二人にして欲しいと申し出た。

「みくると二人にしてくれないか」

「わかりました」

「みくるさん、下にいるから終わったら降りて来てくれる？一緒に帰ろう」

「はい」

俺は二人のやりとりに嫉妬していた。

みくるは俺だけのものだと言う思いを、強く持った。

海堂社長は社長室を後にした。

俺は社長室に残ったみくると見つめ合った。
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