お前は俺だけのものだ〜私はあなたに相応しくありません
みくるの病室に海堂慎がやって来た。

「みくるさん、大丈夫?」

「すみません、ご心配をおかけしてしまって」

この時、海堂とはちあわせになった。

「みくるはしばらく入院することになった、契約は白紙に戻してくれ」

俺は海堂にみくるの代わりに気持ちを伝えた。

「それはみくるさんの意向か?」

「そうだ、もちろん俺との契約も更新しない、今は働くと言う状況ではないからな」

「それなら僕の知り合いの病院へ転院させる」

「今は体力的にも精神的にも動かさない方がいいんだ、後は俺がみくるの面倒を見る、今はまだ俺が雇い主だからな」

海堂は何も言い返せず病室を後にした。

「みくる、これでよかったかな」

「ありがとうございました、海堂さんにお世話になるわけには行きませんので、でも社長にもお世話になるわけ・・・」

俺はみくるの言葉を遮り自分の気持ちを伝えた。

「みくる、今月一杯は俺がみくるの雇い主だ、だから俺に責任がある、そのあとは俺の勝手な思いで行動してるんだから気にするな」

「でも、それでは申し訳ないです」

「じゃあ、その分俺に飯作ってくれよ」

「でも、婚約者の方が嫌な思いをします」

「みくる、俺は婚約者なんかいないよ」

「でも平野さんがお見合いの相手が乗り気で、話を進めるので社長とは会わないで欲しいと、あっ、その、そうじゃなくて、え〜っとその」

「そう言う事か、みくるが急に海堂慎と現れるからなんかおかしいなと感じていた、平野の企か」

みくるは俯いたまま答えられずにいた。
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