お前は俺だけのものだ〜私はあなたに相応しくありません
社長が帰って来たらどう切り出そう。

本当のことを言えば、勝手に週刊誌に売ればいいと言い出すに決まってる。

海堂さんを好きになったと言う?

無理があるなあ、いくらなんでも。

黙って出て行く?そうだ、海堂さんの前からも姿を消せば、だめだ、それじゃあ、社長の出生の秘密を公表されちゃう。

海堂さんが私を嫌いになるようにする?

どうやって?

「ただいま」

なんて言うか決まらないうちに社長が帰って来てしまった。

「お、お帰りなさい」

「どうかしたか?」

「いえ、どうもしません」

「飯、まだ作ってないのか」

しまった、どうしようと考えていたから、夕飯の支度してない。

「すみません、すぐ支度します」

「あ、いいよ、久しぶりに外に食いに行こうぜ」

「でも、それじゃあ、私、お給料貰えません」

「俺がそうしたいんだから構わないよ」

社長に強引に押し切られて二人で食事に行くことになった。

食事の最中もなんて切り出そうと思いを巡らせていた。

そんな私の気持ちに、理由はわからないが、気づいた社長は「どうかした?心配事でもあるのか?」と尋ねた。

私は思い切って海堂さんに事を切り出した。

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