お前は俺だけのものだ〜私はあなたに相応しくありません
「やっぱりそうか、何を言われたんだ」

「ち、違います」

みくるは嘘を言ってるのがバレバレだった。

一生懸命取り繕うが、全てが無駄に終わった。

みくるは嘘がつけない、すぐしどろもどろになってしまうからだ。

「みくる、何を言われたんだ、俺に話してくれ」

「言えません、絶対に社長は、そうしたければさせとけばいいって言うに決まってます」

大体の察しはついたと感じた。

多分俺の事で黙っている代わりに結婚を迫ったんだろうと思った。

俺の事で黙っててほしい事など何も無いが、みくるが俺のためにって考えるくらいのことだよな。

出生の秘密か?

奴は何らの方法で俺の出生の秘密を掴んだ。

週刊誌にバラすとかなんとか、みくるに言ったんだろう。

平野が必死に俺に内密にと言ってるのを、みくるは知っている。

そう言う事か?

確かめてみるか。

「みくる、いいじゃないか、言わせておけば」

「そんな事ダメです、社長の出生の秘密は内密にって、いつも平野さんが言ってるじゃ無いですか」

「出生の秘密か」

みくるは俺の言葉に思わず口を手で抑えた。

「奴の交換条件は俺の出生の秘密なんだな?」

みくるはバレちゃったと言わんばかりの表情を見せた。





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