お前は俺だけのものだ〜私はあなたに相応しくありません
俺は睡眠時間を削り仕事に集中した。

引っ越したばかりと重なり、部屋は荒れ放題と化した。

俺は九条家の屋敷とは別にマンションを借りた。

執事の平野が毎朝迎えに来る。

荒れ放題の俺の部屋を見てはため息をつく。

「誄様、奥様をもらわれては如何でしょうか、失礼ながらこの部屋は見るに忍び難いです」

「そんなのわかってるよ、犬や猫じゃあるまいし、奥さんもらうって簡単に言うなよ、それにこれでも片付けてる」

「いいえ、これでは片付けたと言いません、旦那様にお話しして、すぐご結婚が難しいのであれば
ハウスキーパーを雇われては如何でしょうか?」

俺は答えずに黙っていた。
平野は続ける。

「それにお食事もカップ麺ばかりでは栄養が偏ります」

「わかった、わかった、それじゃハウスキーパー頼むよ」

「かしこまりました、旦那様に申し伝えます」

平野はこの件を早速親父に伝えた。

「なんだ、誄は彼女はおらんのか」

「今後のこともありますし、早急にご結婚をお勧めしたのですが、一向に首を縦に振ろうとはなさいません」

「じゃ、見合いさせろ」

「かしこまりました」

俺は強引に見合いをさせられた。
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