一生のお願い
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「え……」
俺は今、颯真の部屋に来ている。
漫画の続きを拝借するためにだ。決して怪しい目的で入った訳では無い。
でも、何が俺をそんなに驚かせたかと言うと。
「あいつ……ホラーなんて読めたっけ?」
颯真はホラーが大の苦手だ。
なのにどうして。
「ただいまっ……て楓真! どうしたんだよ」
「あ、えと……漫画の続き借りようかと」
「あれ、いつもの罵倒がない? 前までの素直な俺の楓真が帰ってきたってことだな」
「はぁ? 罵倒してほしいっつーわけ? ドMかよきめー! こっちくんなクソ兄貴!!」
「あ、いつもの楓真だ……っだぁ!」
ふざけた事抜かしたから……"俺の"なんて言いやがったから足を思いっきり踏んでやった。
痛みに顔を歪める颯真。これなら俺のこの赤い顔も見えないだろう。
「いたた……全く楓真はいつからこんな暴君になったんだろうか 漫画だっけ? はいこれどうぞ」
ポン、と俺の手に載せられる欲しかった漫画。
この時少し颯真の手が触れて、俺がどれだけ動揺してるかなんてお前にはわかんないんだろうな。
「?」