お見合い夫婦!?の新婚事情~極上社長はかりそめ妻を離したくない~
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完成したドライキーマカレーをダイニングテーブルに並べ、晴臣と向かい合って座る。
スパイスをたっぷりきかせ、お互いに好きな辛味もいい加減のはず。なにしろはじめて晴臣に作る料理。一番得意なものを作ったから、味にはそこそこ自信がある。
「いい匂いだね。おいしそうだ」
「お口に合うといいんですけど」
食べ物の好みが似ている晴臣なら気に入ってくれるとは思うが、それでもやはり緊張するのが女心というもの。
「いただきます」
晴臣がスプーンを口に運ぶのをじっと見つめる。咀嚼を終えるまでのものの数秒のうちに、好きな味じゃなかったらどうしよう、嫌いなスパイスがあったかもしれないなどといろいろ考える。
「ん、おいしい」
実感のこもった感想を聞き、ふぅと安堵の息を漏らした。