お見合い夫婦!?の新婚事情~極上社長はかりそめ妻を離したくない~

そう言った途端、彼の瞳が大きく揺らいだ。
好きだとお互いに伝え合い、わだかまりがスーッと溶けていく。鉛のように重かった心がふっと軽くなり、今度はふわふわと浮かび上がるような感じがした。


「それじゃもう、ここを出ていくなんて言うな。どこにも行かせない」


絶対的な命令なのに底なしに甘くて、好きという想いがさらに膨らんでいく。

近づいてきた唇の誘惑に、抗う理由も術もなにもない。必然的なキスは甘さも濃度も深くなり、果歩の心も頭も晴臣一色に染め上げる。

唇を解放した晴臣は、その場で果歩を抱き上げた。


「俺は自分を買いかぶり過ぎていたみたいだ。もう少し紳士でいようと思っていたのに限界。でも、果歩が嫌ならここでやめる」


気持ちが高ぶり、晴臣以外になにも見えなくなっている果歩が拒めるはずもない。


「やめないで」


晴臣の首に抱きつき囁く。果歩を抱いたまま寝室に向かった晴臣は、ベッドに彼女を下ろした。
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