お見合い夫婦!?の新婚事情~極上社長はかりそめ妻を離したくない~
息を吐き出しながら答える。
「それにしても最低の男だったわね」
文代がしみじみと呟く気持ちはよくわかる。最後に改心したかのように見えても、やっぱりそう思わずにはいられない。
だけど今日の一連の出来事は、果歩には不思議なことばかりで……。
「晴臣さん、彼のこと調べてたんですか?」
「ここ最近、果歩の様子がおかしかったから、仕事中はどうなのか気になっておばさんに連絡したんだ。そうしたら」
「この前変な男が果歩ちゃんを訪ねてきたって、私が話したの」
晴臣の言葉を文代が続ける。彼女は果歩たちの向かいのソファに腰を下ろした。
「悪いとは思ったんだけど、録音したふたりの会話をハルくんに聞いてもらって。隠し撮りしたさっきの男の写真を見せたら、ハルくんが『果歩の元彼だ』って」
なんとあのときに写真まで撮っていたという。それから晴臣は急いで幸人のことを調べ上げたのだと。