お見合い夫婦!?の新婚事情~極上社長はかりそめ妻を離したくない~

借金を背負っているのも結婚しているというのも、そのときに知ったらしい。
さらに言えば、その妻は妊娠しているらしく、よくよくお金に困って果歩の前に姿を現したのだろう。警察への通報を猛烈に嫌がったのも、生まれてくる子どもに恥ずかしいと思ったからなのかもしれない。


「それじゃ、このところずっと私を送り迎えしてくれてたのって……」


もしや……とふと気づく。


「いつアイツが現れるかわからなかったから。果歩を危険な目に合わせるわけにはいかない」
「……ありがとうございます」


そんなふうにして晴臣に守られていたなんて考えもしなかった。これからどうしたらいいだろうと、自分のことを考えるので手いっぱい。周りを全然見ていなかった。


「でも今回の敢闘賞はおばさんだ」


本当にその通り。文代が果歩と幸人の会話を録音するなどという機転を利かせなかったら、彼を追い込めなかっただろう。
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