お見合い夫婦!?の新婚事情~極上社長はかりそめ妻を離したくない~
晴臣にどうぞと手で促され、弾む気持ちで腰を下ろす。
背もたれや脇の部分は全体的に籐。座面は黄色でポップさはあるものの革張りで高級感を出している。包み込まれるような安心感と、座面のほどよい弾力がとても心地いい。
「座り心地がいいですね。デザインもとっても素敵」
「果歩にそう言ってもらえるとうれしいよ」
「これが完成したホテルに並ぶのも見たいです」
「オープンしたら一緒に行こう」
ぜひそうしたい。晴臣とふたりで。
「それから……」
晴臣がおもむろに目の前に跪いたものだから、果歩は目をぱちくりとさせた。
「どうしたんですか?」
「果歩、結婚しよう」
突然のプロポーズが果歩を黙らせる。
(結婚って……あの結婚? それとも血痕? ……のわけはないよね。でも、どうして?)
呆気に取られてなにも返せない。