お見合い夫婦!?の新婚事情~極上社長はかりそめ妻を離したくない~
「そうだよ、お姉ちゃん。よくできたアンドロイドかと思っちゃった。ね? 美月」
「ほんとほんと」
ふたりは顔を見合わせて頷き合う。動きがシンクロするあたりは双子特有かもしれない。晴臣も幼い頃は、一慶と寝相が同じだとよく言われたものだ。
それにしてもアンドロイドときたかと、晴臣はクスッと笑った。
「うわっ、笑った顔も素敵ー!」
「こんな人がお義兄さんになるなんてどうしよう! 友達に自慢し放題だよね!」
「ねね、だけどどうしてお姉ちゃんを選んだの?」
「ちょっと葉月、〝選んだの?〟じゃなくて〝選んだんですか?〟でしょう? って、ちょっと待って。それってお姉ちゃんの私に失礼な質問じゃない?」
妹の言葉遣いにダメ出しをした後に自分を貶める言い方をされたと気づき、果歩が唇を尖らせる。葉月は「ごめん」と謝りつつ「だけどさ」と続けた。
「お姉ちゃん、おばさんっぽくないですか?」
「それそれ! バッグの中からなんでも出てきちゃうところとか」
「うんうん、冷却シートに爪切り、なんでもござれって感じだもんね」
クスクス笑い合いながら、ふたりがあれこれと例をあげつらねていく。