お見合い夫婦!?の新婚事情~極上社長はかりそめ妻を離したくない~
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「騒がしい家族で本当にごめんなさい」
実家を後にして発進した車の中で、果歩が申し訳なさそうにする。
「謝る必要なんてないよ。すごく素敵なご家族じゃないか」
「でも大げさな格好はするし、しゃべりっぱなしでうるさいし。妹たちだって晴臣さんのことをジロジロ見たりして。……ほんと恥ずかしい」
「お世辞抜きで本当にいい家族だって思ってるよ」
たぶん晴臣の両親とも気が合うだろう。果歩の両親と優劣がつけがたいくらいに賑やかだから。
「ありがとう、晴臣さん。それから妹たちに言ってくれたことも」
「あれは本心だから。果歩は本当に素敵な女性だよ」
ちょうどタイミングよく信号待ちで止まり、晴臣が果歩の頬にキスをする。
「今夜はふたりの結婚が決まったお祝いといこうか」
「お祝い? どこかへ行くんですか?」
「たまにはホテルで夜景でも見ながらロマンチックに食事しよう。もちろん辛いものづくしで」
「いいですね!」