お見合い夫婦!?の新婚事情~極上社長はかりそめ妻を離したくない~
手を軽くあげてスタッフを呼び、ノンアルのビールと自分の分のウーロン茶を注文した。
「タレは足りてますか?」
「大丈夫だよ」
「あ、これ、どうぞ」
テーブルにいくつか置かれていたウェットティッシュを差し出す。口もとや指先が意外と汚れるから必要だろう。
それを受け取った晴臣は突然クスクス笑いだした。
おもしろい言動をした自覚はまるでない。
「……どうかしましたか?」
「そんなに気を使わなくていいよ」
「あっ……ごめんなさい。煩わしいですよね」
気の利く女アピールでは決してない。無意識に手が出てしまうのだ。
でも、あれこれされて嫌な気分になる人だっているだろう。お節介で鬱陶しいかもしれない。
「さっきも言ったけど新鮮。いつも俺がする方だから」
それでは余計邪魔に感じたかもしれない。この後は手出ししないように気をつけよう。