お見合い夫婦!?の新婚事情~極上社長はかりそめ妻を離したくない~

驚いて声が出たのは今まさに送ろうとしていた相手、晴臣からだったせい。急いで応答をタップして耳にあてた。


「も、もしもしっ」


声が上ずって恥ずかしい。


『果歩さん、仕事はもう終わった?』
「あ、はい、今終わったところです」


まさか晴臣の方から連絡をもらえるなんて。浮かれた心がポンポン弾む。


『よかった。ちょうど着いたところなんだ』
「着いた? どこにですか?」
『荒原不動産の前』
「え!?」


慌てて道路に首を伸ばしたら、土曜日に乗せてもらったホワイトパールの車がハザードランプをつけて停車していた。
その車に近づくと、助手席側のパワーウインドウがゆっくりと下がっていく。


「乗って」
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