お見合い夫婦!?の新婚事情~極上社長はかりそめ妻を離したくない~
「早速もらおうかな」
「ではすぐに開けますね」
ウキウキしながら包みを開けていく。箱を開くと手のひらサイズの小分けした煎餅が十二枚並んでいた。そのうちの一枚を晴臣に差し出す。
「どうぞ」
「ありがとう」
揃って開封して中身を取り出したら、唐辛子がまぶされているのか真っ赤だ。
「こぼさないように気をつけてくださいね」
「了解」
晴臣がふっと笑ったのを見て、お節介だったと反省する。子どもじゃないんだから、こぼさないようにはないだろう。彼女面の次は母親面かと、心の中で自分にツッコミを入れた。
「いかにも辛そうな色だね」
「ほんとに。真っ赤ですもんね」
袋にも〝激辛〟と書いてあるから期待値も上がる。
「なんだかワクワクしちゃう」