お見合い夫婦!?の新婚事情~極上社長はかりそめ妻を離したくない~
カップとしても使えるボトルキャップにホットのほうじ茶を注ぐ。いつも職場に二本持参しており、一本は飲み干したがもう一本は半分以上残っていた。
「口はつけていないので」
そう言いつつ晴臣に差し出す。職場ではいつも自分のマグカップに注いで飲んでいる。
「ありがとう」
「それからこれも」
続けざまにウェットティッシュを手渡した。手に唐辛子が付いてしまっただろう。
「果歩さんのバッグからはなんでも出てくるね」
そう指摘され途端に恥ずかしくなる。
「……なんだかおばさんっぽいですよね」
あれもこれもと詰め込み過ぎの自覚はある。おかげで小さめのオシャレなバッグは使えず、荷物がたくさん入る大きなものばかり。友達にも『オカンか!』としょっちゅう言われるくらいだ。