お見合い夫婦!?の新婚事情~極上社長はかりそめ妻を離したくない~
「すみませんでした。お恥ずかしいところを……」
本当に情けない。晴臣が現れて助かったが、あんな場面を見られたくはなかった。
「なにもされなかった?」
「大丈夫です、ほんとに」
そう答えて、ふと気づく。
「でも、どうしてここに?」
今日は会う約束をしていない。突然顔を見せてくれるかもしれないと期待していたとはいえ、それが本当に叶うとそれはそれで動揺する。
「果歩の顔が見たくなったから」
そうくるとは思わず、鼓動が跳ねた。
「……あまりそういうことは言わないでください」
ドキッとしたのをひた隠し、冷静に返す。ぬか喜びはしたくない。